ドッペルゲンガーを探して (前編)

或る夏の昼下がりのこと。
私は、せらちゃんの書斎に呼ばれた。

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ハーブの香りが漂う書斎で、せらちゃんは熱心に魔術書を読んでいる。
急に呼び出すなんて、いったい何の用事だろうか・・・

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せら 「いらっしゃい。突然お呼びして、ごめんなさいね。」

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せら 「少々長くなるかもしれませんが、お話を聞いて頂けますか?」

いつになく真剣な眼差しのせらちゃん。
その眼光は、まるで美しい底なし沼のようで・・・
私は、見えない力に操られるかのように頷いた。

※ せらちゃん誕生日おめでとう的な誰得企画
これより先は、やたらと長い駄文小説が続きますので、ご注意ください。


・ ・ ・

拍手ありがとうございます いつも励みにしております。 ss084.jpg

せらちゃんは、分厚い魔術書にしおりを挟んでから、
私の方へ身を乗り出して、「少々長いお話」とやらを語り始めた。

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せら 「私たちドールは個々の人間に選ばれ、その家の住人となった時に
自分自身と同一の存在、所謂ドッペルゲンガーに遭遇することがあります。
人間にとっては不吉なことですが、ドールにとっては、幸運なことと言い伝えられています。」


それは、いざ行ってみたら自分と同じドールがいたってこと?
人間の場合は、ドッペルゲンガーを見たら死ぬだなんて言われてるけど・・・。
同じキャラクターのドールが揃っちゃうことなんて、確かに珍しいことではないね。

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せら 「ええ。でも、私がこちらに来た時は、この家に私のドッペルゲンガーはいませんでしたよね。
つまり私の場合は、あなたの 『ファーストせら』 になったというわけです。」


そうだね。初めてせらちゃんが来てくれた時は、嬉しかったなぁ!
今も、いろんなお洋服を着てもらったりして、幸せだけどね~。

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せら「では、人間と巡り合えなかったドールは、どうなるかご存知ですか?」

ええっ、どうなるんだろう?

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せら 「最後まで選ばれなかったドールは、闇の世界へ閉じ込められてしまうのです。」

闇の世界!? そんな恐ろしい場所があるの?

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せら 「私たちドールの伝承では、俗称 『お留守番』 と呼ばれる異世界です。
『お留守番』 に閉じ込められたドールは、自力で外に出ることが出来ません。
人間に自分の存在を思い出してもらい、救い出してもらうことが、唯一の脱出方法なんです。
それ故、ドール達は 『お留守番』 を非常に恐れています。」


なるほど、なんだか悲しい話だね・・・。
でもさ、せらちゃんは私がお迎えしたから大丈夫だよね?
せらちゃんを闇の世界に残しておくなんてこと、絶対に出来ないもの!

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せら 「ふふふ、ありがとうございます。」

せらちゃんは可愛らしく微笑んでくれたけれど、どことなく表情が暗い。
もしかしたら、心の奥底に深い悲しみを秘めているのだろうか。

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せら 「実は先日、魔術書を読み続けているうちに 
『お留守番』 の世界を観測する方法を習得したのですが、
そこに、私自身のドッペルゲンガーがいることを知ってしまったのです・・・」


せらちゃんは、大きなため息をついて沈黙した。
事実を知った私も、ショックで何も言えなくなってしまった。

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せら 「ところで、あなたは数年前からずっとずっと・・・
手に入れたいと思っていたドールがありませんでしたか?」


私の瞳をじっと見つめるせらちゃん。

せらちゃんは、一体何を言おうとしているの・・・?
禍々しい予兆を感じて、私の頭の中は混乱し始める。

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せら 「あなたが欲しかったドールは、私と同じ 『せら』 ですよね。」

せらちゃんの一言に、私の心臓がドクンと跳ね上がった。

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せらちゃんが言うことは、正しかった。
なぜなら 『魔女っ子せらちゃん』 をお迎えするよりも前に
『ハピホリせらちゃん』 という子がいて、お店で一目惚れしちゃったんだ。

何度も手にしてレジに持って行こうとしたけど、何故かあきらめてしまった。
いつも居るから余裕があるときに買えばいいかなって思ってたの。

でも、いつの間にかお店から 『ハピホリせらちゃん』 は居なくなって・・・
私は 『ハピホリせらちゃん』 を手に入れる機会を失ってしまった。
今でも、チラシを眺めてはため息をついて、後悔しているんだ。

ごめんね、せらちゃん・・・あの時、私がお迎えしなかったから、
せらちゃんは、闇の世界に閉じ込められてしまったの?

・ ・ ・

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せら 「ごめんなさい。あなたを傷つけようとして言ったわけではないのです。」

落ち込む私を諭すように、せらちゃんは口を開いた。

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せら 「私たちドールは、人間と違って自分自身が無数に存在しています。
『お留守番』 の世界に送られるかは、運命によって決まります。だから、ご自分を責めないで下さい。
私は、あなたが私の事を個体として認識し、愛してくれていることに感謝しています。」


よかった・・・嫌われちゃったのかと思った。
でもね、人間も個体として愛されることを望んでいるから、その点では、人間もドールも一緒だね。

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せら 「ふふふ。そうですね。でも、人間と違う部分もありますよ。
私は、この世にたくさん存在する 『せら』 の一部でしかないのです。
この世に散らばる私自身の集合体、つまり 『せら』 というキャラクターを
好きと思ってくれる気持ちが、私はとても嬉しいのです。」


せらちゃんの頬が赤く染まる。
そんなにストレートに言われちゃうと、私だって困ってしまうのに・・・

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せら 「だから私は、せらを愛してくれるあなたにお願いがあるのです。」

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せら 「闇の世界にいる私のドッペルゲンガーを、救い出して下さいませんか?」

せらちゃんの提案に、私は息をのんだ。

闇の世界から、せらちゃんのドッペルゲンガーを救い出す・・・?
果たしてそんなことが現実に出来るのだろうか。

(後編に続く)

・ ・ ・

暑さで頭がイカレたのか?と思われそうな文章ですが、私は元気です。
せらちゃんの誕生日だったから、何か特別なことがしたかったのです・・・。
お読みくださった方(いるのかな?)、ありがとうございました。
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 魔女っ子せら

8 Comments

まとん  

すごく素敵なストーリーですね!
背景と衣装もお話に合ってます@^^@

いつしか居なくなってしまった「ハピホリせらちゃん」。
それはもしかしたらウチに着てくれたせらかもしれませんし、そうではないかもしれません。
(僕もリリースから半年近く経った、お留守番の子をお迎えしたので。)
それか、あるいは・・・?

後編が気になります!@^^ノ

2013/08/16 (Fri) 00:05 | REPLY |   

二段猫  

これは続きが気になってしまうお話ですね。
セットも雰囲気も、全て賢者様にピッタリで読んでいるとグイグイ引き込まれてしまいます。
続きがとても楽しみです♪

それにしてもこんのさんもハピホリせらさんとご縁があったとは、驚きました。
実は我が家のファースト世良さん、最後までお留守番していた子なんですよ。
だから今回のエントリーはちょっと考えさせられる部分がありました。
僕もあの子がスタート地点の特別な存在ですので、是非こんのさんには頑張って欲しいな~なんて。

そして改めまして、Happy Birthday せらさん!!
今後もずっと、全ての“君”が素敵な時間を過ごせますように。

2013/08/16 (Fri) 00:31 | REPLY |   

稲村10円  

素敵で不思議で少し怖い、童話のような世界にぐいぐい引き込まれてしまいました。
理知的で物静かなせらさんにぴったりのストーリーですね。

魔術書と身につけた懐中時計、それに立てかけた本もまるで別世界への扉のようで意味深です。

お迎えできなかったハピホリせらちゃん、こんのさんちのせらさんのように幸せになっているといいですね。

そして闇の世界に捕らわれているドッペルゲンガーはどうなるのでしょう、後編が楽しみです!

2013/08/16 (Fri) 02:42 | REPLY |   

ぴばこ  

こんにちは!

ふおお、こういうお話好きです!
ゲームや漫画みたいにまるきり異世界じゃない、現代が舞台なんだけどちょっぴり不思議…みたいな感じで、素敵です!

言われてみれば散々迷ったのに結局買わなかった子も、しまいこんだリカちゃんもいます〜(>_<)
全部出すにはお家が狭くなっちゃうけど、せめてたまに出して上げなきゃ!って思いました(´;ω;`)
この前のクラシカルあいかちゃんも結局買わなかった…幸せになってるといいなぁ( ;∀;)

それでは後編楽しみにしてます!m(_ _)m

2013/08/16 (Fri) 18:32 | REPLY |   

こんの  

> まとんさん

拙い文章ですが、お読みくださって、ありがとうございます!

素敵なストーリーとのお言葉、とても嬉しいです!
背景をそれっぽくするために頑張りましたので
お話に合ってると言われてホッとしました。

まとんさんも、お留守番のせらちゃんをお迎えされていたのですね!

長いことお留守番しているなぁと思ったのですが、
ネットでは割と見かけるので、隠れファンが多い子なのかなぁと思ってます。
どのせらちゃんも、持ち主さんの元で可愛がられていると願ってます。

お話は次回で完結しますので、お楽しみに・・・!

2013/08/16 (Fri) 21:54 | REPLY |   

こんの  

> 二段猫さん

長文だったので、誰も読まないかと心配だったのですが(笑)
お読みくださってありがとうございます!
続きが気になると思って下さり、とても嬉しいです。

今回の背景は、賢者の書斎をイメージしたのですが
雰囲気がお伝え出来たようで良かったです。

二段猫さんのファースト世良さんは、店頭での最後の子だったんですね!
ハピホリせらちゃんは、リリース後も庫出しイベントなどで、
販売されることもあったようですが、私は長い間ご縁が無かったんですよ。
二段猫さんの元で、可愛がられている世良さんの境遇に驚き、そして安心しました。

私からも、全てのせらちゃんへ、お誕生日おめでとうとお伝えしたいです!

2013/08/16 (Fri) 22:05 | REPLY |   

こんの  

> 稲村10円さん

最後まで、お読みくださってありがとうございます!

せらちゃんは、公式で「賢者の魔女っ子」という設定だったので
背景や小道具、セリフなどで理知的なイメージにしようと考えていたので
そのような感想を頂き、頑張った甲斐がありました♪

素敵で不思議で少し怖い童話のような世界との感想も、とても嬉しいです!
そういう世界観が、好きなんですよ。ドールでいつかやってみたいなと思っていました。

他の持ち主さんの元にあるせらちゃんの幸せを願いながら
後編の内容を作っています。お楽しみに!

2013/08/16 (Fri) 22:15 | REPLY |   

こんの  

> ぴばこさん

こんにちは~!

ラストまで、お読みくださってありがとうございます!
長文なので載せるまで心配だったのですが・・・
好きと言って頂き、すごく嬉しいです!!

現代が舞台だけど不思議な世界観・・・いいですよねぇ、私も大好きです!
一度、ドールでそういうお話をやってみたいと思っていたのです。

気に入っても、事情があって買えなかったり、
好みが変わったりして、仕舞い込んでしまうこともありますよね。
現実的なことを考えれば、仕方のないことだと思います。

買えなかった子も、違う持ち主さんの元で可愛がられていると願いたいですね。
いろんな境遇のドールの事を考えながら、後編を考えています。どうぞ、お楽しみに!

2013/08/16 (Fri) 22:29 | REPLY |   

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